麦が穂を揺らす6月初旬、気候もさわやかなこの季節、散歩中にサワサワと風が渡っていく麦の様子を見るのは心地よいもの。
毎年5/31~6/4頃を「麦秋至(むぎのときいたる)」「麦秋(ばくしゅう)」と呼びます。梅雨の前、初夏に向かうこの時期なのに「秋?」という不思議。
理由は「秋」という言葉に<成熟した穀物を収穫する時期>という意味があること、晩秋に種まきした麦が冬を越え春に育ち初夏、収穫の時を迎える、この時期が麦にとっては「収穫の秋」ということになるのですね。日本語は深い。
●麦に関する記念日もたくさん
・6/1麦茶の日 ・6/16麦とろの日
・7/7そうめんの日 ・7/2うどんの日
・8/5世界ビールデー ・8/25即席ラーメンの日
4/12パンの日や11/9ラー麦の日…調べていくとまだありそうな麦に関する記念日。
日本の主食であるお米(稲)以上に食卓に浸透した麦、パンにケーキ、パスタにうどん、ビール…日本の食生活にすっかりなじんでいますよね。
日本ではかつては同じ農地で1年にコメとムギを栽培し収穫する二毛作が推奨され1960年代には麦畑が広がる風景はあたりまえにありました。私も子どもの頃、刈っている麦の茎で作ったストローでジュースを飲んだ楽しい記憶も残っています。
しかし最近では麦畑を目にすることも少なくなり、若い世代ではリアルな麦の穂、麦畑を見たことがないということも多いそうです。農業事情があるのでしょうが「麦秋至(むぎのときいたる)」を体感する、美しい風景が消えていくのはやはりさみしいですね。
小麦:イネ科/コムギ属 西アジアの高原地帯には野生種が数種類自生 稲、トウモロコシ、麦は世界三大穀物と呼ばれます。