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去年、この松は葉が茶色くなっていました|三重県朝日町 黒松とマキの手入れ

執筆者の写真: 飯島 一郎
飯島 一郎
28 分前
読了時間: 5分

三重県朝日町にてお庭お手入れ。去年、この松は葉が茶色くなっていました。


枝枯れも多かった。松は、弱ってくると先のほうから枯れ込んできます。遠目にはまだ緑に見えても、近づくと茶色い葉が混じっている。

二日かけて手を入れた黒松。三重県朝日町にて
二日かけて手を入れた黒松。三重県朝日町にて

そのとき私たちがしたのは、剪定ではありませんでした。

消毒に伺ったときに、肥料を入れています。

剪定だけでは、弱った松は戻らない

松の手入れというと、揉み上げや古葉取りを思い浮かべる方が多いと思います。


たしかに形は整います。風も通ります。


ただ、樹勢そのものが落ちているとき、上だけ触っても戻りません。葉が茶色くなるのは、上で起きていることの結果で、原因は下にあることが多いからです。


だから去年は、肥料を入れて待ちました。


一年たって

今年の九月、二日かけて手入れに伺いました。


松を見上げて、まず思ったのは、樹勢がだいぶ戻ったということでした。葉の色が違う。茶色い葉が減って、緑が濃くなっている。


二日間の作業。奥の黒松に脚立を立てて、上から順に手を入れていきます
二日間の作業。奥の黒松に脚立を立てて、上から順に手を入れていきます

木の時間は、人の時間より遅い。


去年入れたものが、一年かけて葉に出てくる。そういう速さで動いています。


そして今回、グリーンパイルを打ちました

戻ったから終わり、ではありません。


今回の手入れで、根の周りにグリーンパイルを打ち込みました。樹木専用の打ち込み肥料で、窒素17パーセント、りん酸10パーセント、カリ10パーセントの配合です(ジェイカムアグリ株式会社)。


地面に打ち込むことで、肥料分が土の中に広く浸透します。


肥料分が下の層にあるので、根が深いほうへ伸びていく。旱魃にも風にも強くなる、とメーカーは説明しています。


これは今年の木のためというより、来年の木のためのものです。


松の葉が茶色くなる原因は、ひとつではありません。


葉が茶色くなる原因は、いくつもあります。肥料不足だけとは限りません。


庭園木のクロマツには褐斑葉枯病というものがあります。八月中旬から針葉に黄褐色の斑点が生じ、そこから葉先にかけて灰褐色に枯れていく。


興味深いのは、この病気について書かれていることです。

山林に自生するクロマツ・アカマツでは、発生は未確認です。芽摘など手入れの行き届いた庭園木のクロマツでのみ発生を確認しています。 (島根県中山間地域研究センター 森林保護育成科)

手入れをしている庭の松にだけ出る。山の松には出ない。


葉ふるい病というものもあります。出雲市の樹木診断では、連続的な乾燥や、冬期の低温と乾燥、そして樹勢の衰退が誘因になると説明されています。


つまり、樹勢が落ちること自体が、病気を呼び込む。


だから私たちは、葉の色だけを見て判断しません。枝の枯れ方、新芽の伸び、幹の様子、土の硬さ。そういうものを合わせて見てから、何をするか決めています。


二日間でしたこと

黒松

二本の黒松に、二日かけて手を入れました。

脚立を立てて、上から順に。古葉を取り、混んだところを抜いていきます。生垣の上には緑のシートを掛けて、落ちてくる葉を受けました。生垣の中に松葉が溜まると、あとで取れなくなるからです。


座り込んで、古葉を手で取っていきます。腰に挿しているのはシュロ箒

座り込んで、手で一本ずつ。

松の手入れは、時間のかかる仕事です。機械では代われません。

最後に熊手で白砂利を掃いて整えます
最後に熊手で白砂利を掃いて整えます

マキの生垣

長い生垣を刈り込みました。

生垣の上に緑のシートを掛けて、落ちてくる松葉を受けます
生垣の上に緑のシートを掛けて、落ちてくる松葉を受けます

上の面と、両側。角がぼやけないように、面で見ながら整えていきます。石積みの上に載っている生垣なので、下から見上げる形になります。見上げたときの線がまっすぐ通っているかどうか。そこだけは妥協しません。

石積みとブロック積みの上に続く生垣。下から見上げたときの線を見ながら整えます
石積みとブロック積みの上に続く生垣。下から見上げたときの線を見ながら整えます

マキの仕立て

生垣とは別に、玉散らしに仕立てたマキがあります。

こちらは刈り込みではなく、一枝ずつ。玉の形を保ちながら、中の枝を抜いて風を通します。


ソヨゴ

軒下に、株立ちのソヨゴがあります。

母屋の軒下の株立ちのソヨゴ。手前の景石との間合いを見ながら
母屋の軒下の株立ちのソヨゴ。手前の景石との間合いを見ながら

常緑ですが、あまり詰めると姿が硬くなる木です。自然な枝の出方を残しながら、伸びすぎたところだけ整えました。


梅の剪定と、手取り除草


梅も剪定しています。


そして白砂利のところは、手で草を取りました。除草剤は使っていません。砂利の下に防草シートが入っていても、時間がたてば砂利の中に草が根を下ろします。そうなると、手で抜くのがいちばん確実です。


最後に、熊手で砂利を掃いて整えました。

庭は、一年単位で見るもの

今回いちばんお伝えしたかったのは、松が戻ったことそのものではありません。

去年入れたものが、今年出てきた。

そのことです。

庭の仕事は、その日で完結しません。今日したことの答えが出るのは、来年の同じ季節です。だから私たちは、一度伺った庭に通い続けます。前に何をしたかを覚えていないと、今年何をすべきかが分からないからです。

今回打ったグリーンパイルの答えも、来年の秋に出ます。

そのときまた、この松を見上げます。

お庭のことでお困りでしたら

三重県朝日町をはじめ、四日市市、鈴鹿市、桑名市、菰野町など北勢地域を中心にお伺いしております。

松の葉の色が気になる、生垣の形が崩れてきた、何年も手を入れていない。どんな段階でも構いません。

メリットもデメリットも正直にお伝えしたうえで、ご提案いたします。

剪定屋空 電話 059-340-7479 / フリーダイヤル 0120-284-163 https://www.senteiyasora.com

松のように毎年見ていく木は、年間管理でお預かりすると変化を追いやすくなります。 https://www.senteiyasora.com/nenkanmanagement

出典

  • グリーンパイルの成分と特長: ジェイカムアグリ株式会社

  • 庭園木クロマツの褐斑葉枯病: 島根県中山間地域研究センター 森林保護育成科 https://www.pref.shimane.lg.jp/life/region/kikan/chusankan/shinrin/matsu_kappanhagare.html

  • クロマツの葉が茶色に変色する原因: 出雲市農林水産部森林政策課 樹木診断 https://www.matsukui-izumo.jp/diagnose/02_ct_001_02.html

 
 
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