タケノコを折る理由 — 淡竹(ハチク)竹林、5月の密度管理
- 飯島 一郎

- 5月19日
- 読了時間: 3分

令和8年5月17日、三重県鈴鹿市淡竹(ハチク)竹林に入りました。
竹林全体の下草刈りと、タケノコ・伸びた新竹の折り作業です。
竹林の中を歩いていると、昨年よりも明らかに多くのタケノコが顔を出していました。明るくなった箇所が増えているからです。光が入るようになると、草も竹も勢いを取り戻します。
「なぜタケノコを折るのか」
今日の作業を通じて、改めてその理由を整理してみました。

ハチクのタケノコは1日56cmも伸びる
淡竹(ハチク)は、孟宗竹(モウソウチク)より1〜2か月遅れて発筍します。三重県周辺では4月中旬から6月が発筍期です。
出芽してから竿が完成するまでは約34日間。
この間の成長速度を研究データで確認すると、「遅-速-遅」のリズムがあることが分かります。
- 出芽直後(1〜5日目): 1〜5 cm/日 - 最大成長期(6〜15日目): 20〜56 cm/日 - 成長減速(16〜25日目): 5〜20 cm/日 - 節間固定・枝葉展開(26〜34日目)

最大で1日56cmというのは、感覚的に信じがたい数字です。でも、竹林に毎月入っていると実感できます。先月まで何もなかった場所に、気づいたら2mを超えた竿が立っている。それがハチクの成長速度です。

なぜタケノコを折るのか
折る理由は一つではありません。
つまり、折ることは「竹を減らす」のではなく、「残す竹を強くする」作業です。

何を折り、何を残すか
判断は現場でしなければなりません。
細い芽、既存の竹から50cm以内に出てきた芽は折ります。太い芽、空間がある位置に出てきた芽は残します。残した芽が翌年の親竹になります。
子折りの適期は、地上に出てから3〜7日以内です。成長速度が1〜5 cm/日以下の段階で、手で曲げると折れます。
硬くなってしまうと、折るのではなく根元からの切除が必要になります。タイミングが命の作業です。

今回の現場では、ハチクらしい青みがかった緑色の節を確認しながら、一本ずつ判断していきました。
今日の作業は下草刈りだけでなく、竹林上の道路沿いの笹の整理も行いました。
前回施工した防草シートは、今のところ上手に効いていました。シートを貼った箇所は草の伸びが明らかに抑えられています。
ただ、シートがない箇所は親竹・枯れ竹を伐採して明るくなった分、草の伸びが速くなっています。早め早めの対応を心がけなければなりません。
Q&A
Q.タケノコ子折りはいつやればいいですか?
A.地上に出てから3〜7日以内が目安です。手で押すと「ポキッ」と折れる段階が適期です。硬くなってからでは、根元から切るしかなくなります。
Q.折ったタケノコはどうすればいいですか?
A.竹林の中に戻して土に還すのがおすすめです。タケノコには有機物・窒素が豊富に含まれており、竹林の土に戻すことで栄養が循環します。食べられる大きさのものは、ぜひ収穫してください。ハチクはえぐみが少なく、下ゆで時間が短くて済む竹として知られています。
Q.どのくらいの密度を目標にすればいいですか?
A.筍と竹材の両方を楽しみたい場合は、10アール(10m×100m)あたり400〜500本が目安です。筍専用の管理であれば200〜300本。放置竹林は1万本/haを超えることもありますが、そこまでになると光が入らず、竹林自体が衰退します。
引き続きハチク林の管理に携わらせていただきます。







