お盆に飾る縁起植物。なのに、植えてはいけない?その理由 ホオズキ


オレンジのちょうちんがぶら下がったような姿。
グリーンとオレンジのコントラストも映える可愛らしいホオズキです。
6月~7月の初夏に淡いクリーム色の花をつけますが、葉の陰に隠れて目立たないこともあり、夏にオレンジの果実と実を包む萼(ガク)をつけた姿が定番のイメージ。
ほおずき市では無病息災を願う縁起物として販売され、お盆には御先祖の足元を照らす提灯として玄関に飾る道しるべとなり、ご先祖の霊はホオズキの空洞に身を宿して過ごすとされています。
そんなホオズキですが、庭に植えてはいけないと言われることも。
理由は各地に伝わる不吉な言い伝えに由来し、ホオズキは病人の唸り声を聞きたがる、庭に植えると死人や病人が出る、といった伝承が残る地域があり、忌み嫌われることがあったようです。
植物の性質としても、暑さ寒さにも強く地下茎により非常に旺盛に増えるため、庭のあちこちに広がってしまい管理が難しくなることも理由の一つだったのではないでしょうか。
また観賞用のホオズキには毒性(アルカロイド)があるので、誤食を警戒しての意味合い、注意喚起という理由もありそうです。

この毒については、少し具体的に知っておくと落ち着いて付き合えます。
ホオズキはナス科です。
ジャガイモやナス、トマトと同じ仲間で、ナス科の例にもれず全草にごく微量のアルカロイドとソラニンを含みます。
もう少し注意が要るのが根の部分。
漢方で酸漿根(さんしょうこん)と呼ばれるこの根には、子宮を収縮させる作用を持つ成分が含まれ、妊娠中の服用は避けるべきとされています。
江戸時代には堕胎の薬として使われた記録も残っています。
不吉な言い伝えと、この使われ方が無関係だったかどうかは分かりません。
ただ、庭に植えるなと言われてきた植物には、たいてい何か理由の名残があります。
小さなお子さんや犬猫がいるお宅では、実を口に入れないよう気をつけるくらいの心構えで十分だと思います。
さて、私たちが庭の仕事で気にするのは、むしろ地下茎のほうです。
地下茎で広がる植物は、地上に見えている姿と、土の中の広がり方がまったく別物です。
一株のつもりで植えたものが、数年で通路の向こう側から顔を出す。
ドクダミ、ミント、ササ、そして竹。
私たちが竹林の整備で向き合っているのも、まさにこの性質です。
竹は一本ずつ生えているように見えて、地下では全部つながっています。
地上を刈っても、地下が残っていれば、また同じところから出てきます。
ホオズキはもちろん竹ほどではありません。
それでも、いちど庭に下ろすと、抜いたつもりの根から翌年また芽が出る。
そういう性質だということは、知っておいて損はありません。

では、どうするか。
答えは簡単で、鉢で育てることです。
いちばん上の写真のホオズキも、鉢に植えて支柱の輪をかけたものです。
地下茎は鉢の中で完結するので、庭に広がりません。
秋に地上部が枯れたら、鉢のまま日陰に置いておけば、翌年また出てきます。
どうしても地植えにしたいときは、根止めの板や、底を抜いた深めの鉢を土に埋めて、その中に植えます。
深さは30センチほど欲しいところ。
これは竹の根止めと、まったく同じ考え方です。
お盆に飾ったホオズキを、そのまま庭の隅に下ろしてしまうお宅は案外多いです。
飾り終えたら鉢のまま。
それが、いちばん静かなつき合い方かもしれません。
ホオズキの花言葉は、自然美、心の平安。
そしてガクは大きくても実のサイズは小さいことに由来する、偽り、ごまかし。
女性が頬を赤らめた姿を連想した、私を誘って、という言葉もあります。
風情ある植物、お盆にホオズキを飾ってみませんか?
庭に広がってしまった植物や、手に負えなくなった竹のご相談は、竹林整備・お庭の管理からお声がけください。三重県で、土の中の広がりまで見て手を入れています。

ホオズキ:ナス科 / ホオズキ属 原産地:東アジア 和名:ホオズキ(鬼灯、酸漿) 開花期は6月~7月 鑑賞期(果実・萼)8月~9月 耐暑性、耐寒性の高い初心者でも育てやすい植物
最終更新: 2026年08月







