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続く倒木事例。日本各地で起こる危険 樹木の倒木 ナラ枯れ

  • 執筆者の写真: 飯島 一郎
    飯島 一郎
  • 2 時間前
  • 読了時間: 4分

ナラ枯れ 倒木 樹木 コナラ 危険木

7月、そして8月にも樹木倒木事故のニュースが続いています。


2026年7月19日の静岡御殿場市サッカー場での倒木事故では、高さ約18〜20メートルものコナラの木が少年サッカーの試合中に突然根元から倒れ、観戦していた保護者女性や未就学児など7人が救急搬送されました。


倒れたのは晴天で、風もない日の正午すぎ。


嵐でもない穏やかな昼に、大人が両手で抱えても回らないような太さの木が、根元から傾いたことになります。


この倒木の原因は強風ではなく、樹木の伝染病であるナラ枯れによる根腐れと判明しています。


ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシが運ぶナラ菌によって、ミズナラやコナラなどの木が集団で枯れてしまう伝染病。


正式にはブナ科樹木萎凋病と呼ばれ、萎凋(いちょう)とは、水が上がらなくなって木がしおれることを指します。


犯人のカシノナガキクイムシは、体長5ミリほどの小さな甲虫。


6月下旬から8月にかけて幹に穴を開けて入り込み、その体に付けて運んできたナラ菌が幹の中で広がり、木は水を吸い上げられなくなります。


外から見て何ともないように見える木が、内側で水の通り道を断たれている。

7月から8月に急に葉が赤茶けて枯れるのは、そのためです。


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見つけるサインで一番わかりやすいのは、幹の根元です。


カシノナガキクイムシが穿入した木の根元には、木くずと糞の混じったフラスが、粉のように積もります。


散歩道の木の足元に、おがくずのような細かい粉がこぼれていたら、それがサインです。

幹をよく見れば、爪楊枝が入るほどの小さな穴が、いくつも並んでいることもあります。

葉が枯れる前から、この粉は出ています。


林野庁によると令和6年度の全国のナラ枯れ被害量は前年度比144%。


7月~8月に樹木が急激に枯れ倒木が起こる事例が多いため注意が呼びかけられています。

7月28日には東京都世田谷区砧(きぬた)公園で高さ約20メートルのケヤキの大木が倒れた事例。


7月29日には群馬県JR吾妻線の線路内への倒木。長野原草津口駅〜大前駅間の上下線で数時間にわたり運転見合わせ(通行止め)、同日には岩手県一関市にて主要地方道での道路をふさぐ倒木もあり、交通インフラに大きな影響もでています。8月には茨城で樹齢800年の御神木の倒木なども…。


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ではなぜ、ここまで被害が広がったのでしょう。


カシノナガキクイムシは外国から来た虫ではなく、昔から日本にいる虫です。

変わったのは虫ではなく、森のほうでした。


この虫は太い木ほど繁殖の効率がよく、幹の直径が10センチを超えるような木を好みます。


かつてナラの木は、薪や炭、しいたけのほだ木として、二十年ほどの周期で伐られて使われていました。


その利用が減り、伐られなくなったナラが各地で太く育った。


虫にとって、条件のいい木ばかりの森になったということです。


だから防除の本筋は、薬をまくことではなく、ナラの木を使って森を若返らせることだといわれています。


木を使うことが、木を守る。


里山の仕事をしていると何度も出会う話ですが、ナラ枯れはその一番わかりやすい例かもしれません。


倒木というと台風のような当日の猛烈な嵐のイメージもありましたが、過去の豪雨による土壌の緩みや、病気・虫食い(ナラ枯れなど)による、見えない根腐れによって、ある日突然発生するのも怖いところ。


ナラ枯れで枯れた木は、すぐには倒れません。


立ったまま数年残り、その間に根が腐り、ある日、風のない昼に倒れます。

御殿場の事故が晴天の無風だったのは、そういうことです。


私たち剪定屋空が危険木を見るときも、根元の粉、幹の小さな穴、キノコの発生、根張りの浮きは、見逃せないサインとして必ず確認しています。


葉が茂っているから元気だ、とは限りません。


全国的に調査は行われているものの、多大な費用と人材の不足により危険回避が間に合っていないのは現実です。台風、そして今回の熊本地震のような災害でも事故の発生が想定されるので、意識を高めておきたいですね。


お庭や敷地に大きなナラやカシの木があるなら、この夏は一度、根元をのぞいてみてください。


粉が積もっていないか、それだけでも見ておく価値があります。


気になる木があれば、伐採・特殊伐採のご相談からお声がけください。三重県で、倒れる前に手を打つお手伝いをしています。


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ナラ枯れ(ブナ科樹木萎凋病):カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌による樹木の伝染病

被害を受けやすい樹種:ミズナラ、コナラ、クヌギ、シイ、カシ類などブナ科の樹木

カシノナガキクイムシ:体長4〜5ミリの甲虫。6月下旬から8月に成虫が飛び、幹に穿入します

見分けるサイン:根元に積もる木くず状のフラス、幹に並ぶ小さな穴、夏の急な葉の変色

最終更新: 2026年08月

 
 
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