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三重県菰野町庭園管理|アラカシの生垣を刈り込まずに透かす 庭園年間管理

  • 執筆者の写真: 飯島 一郎
    飯島 一郎
  • 10 時間前
  • 読了時間: 3分

三重県菰野町にて、お庭管理に伺わせていただきました。この日の手入れは、白壁の上に並ぶアラカシです。


朝八時。壁の上が、ひとつながりの緑の帯になっていました。

枝先に黄緑色の葉が固まっています。夏に伸びた枝です。


朝8時。壁の上がひとつながりの緑になっている
朝8時。壁の上がひとつながりの緑になっている

アラカシは伸びが早い樹種です。春に伸び、梅雨が明けてもう一度伸びる。ひと夏で、壁の上の高さが変わってしまいます。


この生垣に、刈り込みバサミは入れません。すべて剪定です。一本ずつ、枝を抜いていきます。


理由は、カシの性質にあります。


造園書の庭木 樹形と仕立て方には、刈込みは徒長枝や胴吹きを誘発し形を乱す、と書かれています。自然にまとめるよう心掛けるとも。


刈った面は、翌年もっと強く吹きます。表面だけが密になり、内側は光が届かずに枯れ込む。伸びの早い樹種ほど、この差が早く出ます。


刈るのではなく、太い枝を抜きながら剪定していきます。


春から伸びた小枝を必要な数だけ残して、あとは枝元から抜く。残した枝は葉を二枚か三枚つけて先を詰める。庭木の管理12ヵ月にある、年に一度で形を保つやり方とほぼ同じです。


道路側から。壁の上だけに葉が乗る
道路側から。壁の上だけに葉が乗る

道路から見ると、壁の上だけに葉が乗っています。


幹を立ち上げて、上で葉を茂らせる。境界に列植するカシの、昔からある仕立て方です。


棒ガシと呼ばれます。幹を三メートルほどで止めて、枝は長く伸ばさず幹の近くで茂らせる。


この形は、刈り込みでは保てません。刈れば表面が平らになり、幹が見えなくなる。


午後2時。左は透かし終わり、右はこれから



終わった側は、枝と枝のあいだが空いて、向こうの空が見えます。残っている側は、緑が詰まって奥が見えません。


午後3時。脚立を移しながら、端から順に
午後3時。脚立を移しながら、端から順に
夕方5時。幹が一本ずつ見える
夕方5時。幹が一本ずつ見える
同じく仕上がり。別の角度から
同じく仕上がり。別の角度から

夕方五時。


幹が一本ずつ見えるようになりました。白壁も、下の苔も、日が当たります。


葉の量は減っていますが、輪郭は朝とほとんど変わっていません。高さも幅も、そのままです。抜いたのは重なっていた枝で、外側の形をつくっている枝ではないからです。


刈り込みなら、この長さの生垣は半日もかからず終わります。透かし剪定は一日かかります。


それでも透かすのは、来年のためです。


刈った木は、刈られた分だけ強く伸びようとします。透かした木は、光と風が内側まで届くので、伸びが穏やかになる。翌年の手入れが軽くなり、内側の小枝が生きたまま残ります。

生垣を、面として見るか、木の集まりとして見るか。手の入れ方はそこで分かれます。


伸びの早い樹種を面で押さえ込もうとすると、木のほうが必ず勝ちます。


このような手入れは時間も手間もかかりますが施主様が綺麗になったと喜んでいただけるのが何よりです。



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