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剪定後の傷口に何を塗る?トップジンM・カルスメイト・ラックバルサンの使い分けガイド

  • 執筆者の写真: 飯島 一郎
    飯島 一郎
  • 5月20日
  • 読了時間: 3分

剪定後の傷口保護剤には大きく分けて3種類あります。


剪定後の傷口に何を塗る?トップジンM・カルスメイト・ラックバルサンの使い分けガイド

殺菌効果を持つ「トップジンMペースト」

物理的な被膜で保護する「カルスメイト」

天然樹脂で樹皮に最も近い仕上がりになる「ラックバルサン」です。


傷口の状態・現場の要件・見た目の優先度によって使い分けることが、樹木の回復を助けることになります。




なぜ剪定後に傷口を保護するのか

剪定後傷口保護の3重メカニズム図解
剪定後傷口保護の3重メカニズム図解

剪定で枝を切ると、木は傷口に「カルス」と呼ばれる再生組織をつくり始めます。このカルスが傷口を徐々に覆って樹皮が再生されるのですが、その間に雨水・乾燥・病原菌が入り込むとカルスの形成が妨げられたり、腐朽が始まったりします。


傷口保護剤はこの空白期間をカバーするためのものです。ただし塗ればよいではなく、製品によって効果の仕組みが異なります。状況に合わせて選ばないと、逆効果になる場合もあります。


剪定後の大枝断面 年輪と新鮮な木材 墨絵


3製品の違いを整理する

トップジンM・カルスメイト・ラックバルサン比較表
トップジンM・カルスメイト・ラックバルサン比較表

トップジンMペースト

チオファネートメチル3.0%を有効成分とする農薬登録済みの殺菌剤です。塗布すると殺菌と物理的な被膜形成の二重効果が得られます。腐朽菌リスクが高い大径木やケヤキ・エノキなどの硬材、また既に変色が始まっている傷口に向いています。


オレンジ色が目立つことと、炭を混ぜて黒くする行為が農薬改変に該当するリスクがある点は注意が必要です。「目立たなくしたい」という場合はラックバルサンのほうが適しています。


カルスメイト

酢酸ビニル樹脂を主成分とする農薬登録なしの資材です。殺菌効果はありませんが、被膜を形成して雨水・乾燥・病原菌の物理的な侵入をブロックします。農薬の制約がないため、学校や病院など使用場所を選ばず、コストパフォーマンスも高い。一般庭木の剪定傷口や軽度な傷口に広く使われています。


ラックバルサン

天然樹脂(シェラック)を使った専門業者向け資材で、一般ホームセンターには流通しません。茶褐色で樹皮に最も近い色のため、神社仏閣・景観樹・高級庭園など「仕上がりの見た目」が重要な現場で使います。人工樹皮として機能し、カルスの発達を妨げない設計になっています。


職人が大木の剪定傷口に癒合剤を丁寧に塗布する 墨絵


腐朽リスクが高い場合(大径木・硬材・変色あり)はトップジンMペーストを選びます。


景観が重要な社寺・公園・庭園ではラックバルサン。

農薬使用が制限されている施設や一般的な庭木、予算を抑えたい場面ではカルスメイトが最適です。


剪定屋空では3製品を常時携行し、傷口の状態と現場の条件を見て即切り替えています。


この木にはこの製品という判断が積み重なることが、樹木の長期的な健康につながります。


カルスが発達して剪定傷口が塞がっていく樹木の回復過程 墨絵

炭を混ぜてはいけない理由


トップジンMペーストを目立たなくしたいという理由で炭を混ぜて色を緩和すると聞いたことがありましたが、これはお勧めしません。


有効成分が希釈されて殺菌効果が落ちること、農薬取締法上の「改変」に該当するリスクがあることが主な理由です。


景観を重視するなら、最初から樹皮色のラックバルサンを使うのが正解です。混合による問題を避けつつ、仕上がりも自然になります。


庭木の剪定・管理に関するご相談は、こちらのページからどうぞ。三重県菰野町を拠点に、四日市・鈴鹿・亀山など三重県全域に対応しています。



 
 
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