高嶺の花は何の花?手の届かなかった華麗な高山植物シャクナゲ
- 飯島 一郎

- 2024年5月11日
- 読了時間: 3分
更新日:5月2日
高嶺の花という言葉の由来となったシャクナゲは、高山に自生するツツジ科の常緑低木です。標高の高い山の岩場や急斜面に咲くため、かつては一般の人が簡単に手の届かない花でした。4月から6月にかけて大きな花房をつけ、ピンクや白、紫など華やかな色の花を咲かせます。庭木としても人気が高く、日本庭園の趣を出す植物として広く植えられています。

シャクナゲは世界に約1000種が分布しており、日本固有のホンシャクナゲ・ヤクシマシャクナゲ・ツクシシャクナゲなど多くの原種があります。庭植えで使われるのは西洋シャクナゲが主流で、花色のバリエーションが豊富で育てやすい品種が多数あります。葉は厚く光沢があり、常緑のため冬場もグリーンを保つのが魅力です。酸性土壌を好み、アルカリ性の強い土では生育が悪くなります。
シャクナゲの基本情報
学名:Rhododendron / ツツジ科ツツジ属
別名:石楠花。自生地:山地・高山帯の岩場・急斜面。常緑低木(一部落葉種あり)。
開花期:4〜6月(品種・標高によって異なる)。樹高:1〜5m。酸性土壌を好む。
耐陰性あり。直射日光より半日陰を好む。乾燥に弱く夏の水切れに注意。
知っておきたい豆知識
シャクナゲの葉は気温が低下すると筒状に丸まる性質があります。これは乾燥や凍害から葉を守るための適応で、気温が上がると再び平らに戻ります。この特徴から、シャクナゲの葉の開き具合が山の気温を知る目安とされてきました。また花粉は粘着質で固まって出てくるため、蜜蜂などの特定の送粉者に依存しています。三重県の鈴鹿山系では4月から5月にかけてホンシャクナゲが自生しており、山歩きの楽しみのひとつになっています。

よくあるご質問
シャクナゲを庭に植えるときに注意することはありますか?
最も大切なのは土壌のpHです。シャクナゲはpH4.5〜5.5の酸性土壌を好むため、植え付け前にピートモスや鹿沼土を混ぜて酸性に調整してください。また直射日光が強い場所よりも、明るい半日陰が理想的です。夏の西日が当たる場所は葉焼けを起こしやすいため避けましょう。根が浅く広がるので、土が乾きすぎないよう株元にマルチングするとよいです。
シャクナゲの花が咲かない原因は何ですか?
主な原因は日当たり不足・花芽分化の時期の水分不足・強剪定の三つです。シャクナゲは花後にすぐ翌年の花芽をつけ始めるため、花が終わったら速やかに花がらを取り除き、花芽が確認できるようになるまで肥料は控えます。また夏の乾燥が続くと花芽がつきにくくなるため、7〜8月は水やりを欠かさないようにしてください。
シャクナゲとツツジの違いを教えてください。
シャクナゲとツツジはどちらもツツジ科ツツジ属に属しますが、一般的にシャクナゲは葉が大きく厚みがあり光沢があること、花房がより大きく豪華なことで区別されます。ツツジは落葉種が多く花が小さめで、庭の生垣や刈り込み仕立てによく使われます。シャクナゲは主に樹形をそのまま活かした植栽に使われ、強い刈り込みには向きません。
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