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三重県亀山市法因寺様竹林斜面 しがら施工・前段階の記録

  • 執筆者の写真: 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
    三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
  • 8 分前
  • 読了時間: 3分

三重県亀山市にある法因寺様にて竹林手入れに伴う斜面保全工の前段階作業を行いました。


今回の目的は、しがらを組み前の事前整備を行わせていただきました。


まずは、斜面に堆積していた枝・竹・落ち葉を整理し、これから行うしがら施工がきちんと機能するための下地づくりを行うことでした。


竹林斜面

施工前の斜面


伐採・手入れにより発生した竹や枝が斜面に溜まり、一見すると有機物が豊富なようにも見えますが、実際には水の流れが読みにくく、表土が動きやすい状態になっていました。また植生もほとんどみられず表土が雨などで徐々に流失してしまっている状態です。



真竹竹林
アフター

整理後の斜面(しがら前段階)


不要な堆積物を一度整理し、斜面の地形と水の通り道が見える状態に戻しました。

しがら工法において重要なのは、水を止めることではなく、水を読むことです。


水みち

この段階で、・水が集まるライン・逃がすべき方向・越流させる位置を把握しておくことで、後の施工が長持ちする構造になります。




しがら工法
しがら設置イメージ

この斜面には、地中に打ち込んだ親杭に枝を横方向に並べながら落ち葉や粗朶を充填するしがら工法を用います。


しがらは、土を完全に止める構造物ではありません。水を通しながら、流れの勢いを弱め(減勢)、土砂や落ち葉を溜めることで、植物が根を張るための時間を稼ぐ工法です。



しがら施工
約1年後のイメージ



草本層と微生物の働きがはじめてきて施工から1年ほどで、落ち葉の下では微生物や菌糸が活発に動き始め、草本植物や先駆的な植物が斜面を覆います。


まだしがらの姿ははっきり見えますが、この時点で土壌はすでに生きた状態に変わり始めるイメージです。


里山再生
約3年後のイメージ

3年ほど経つと、コナラなどの実生や低木が育ち、しがらは徐々に植生の中に溶け込んでいきます。 植生遷移がスムーズであればもう少し高木層の幼木が育っていると思いますがこちらはイメージなのでやや茂った感じになっています。


この頃には、しがら自体が主役ではなく、植物の根が斜面を支え始める段階に入ります。

もうすこし横木なども朽ちてきている頃です。



里山再生
約10年後のイメージ

森へと近づく植生へ


10年後には、しがら材は腐朽して土に還り、その役割は完全に植物へと引き継がれます。

イメージ画像では竹が茂っておりますが段階的に間引き伐採を行なっているためもう少し照度拡大の為に竹は少なくなっていると思います。


10年も経つとごく自然な斜面林へと変化していく姿がわかる頃です。しがら工法は、残す工法ではなく消えていくことが成功の工法です。また作ってからが始まりで落ち葉などの補填や照度のコントロール、もし環境の変化があまりないようであれば実生苗の補植なども行いながら定期的な管理が必要です。




この竹林斜面が、数年後、十数年後に竹林から広葉樹林へと穏やかに移ろっていく過程を、これからも丁寧に見守り、手を添えていきたいと思います。

 
 
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