鈴鹿市の庭木剪定|主幹を失ったオリーブは、なぜまた茂ったのか
- 飯島 一郎

- 5 時間前
- 読了時間: 4分
鈴鹿市の個人邸で、夏の定期管理にお伺いしました。
お庭にはオリーブ2本があります。今年整えているこの2本のうち右の一本は以前オリーブアナアキゾウムシに主幹をやられ、株元からの芽吹きだけで作り直してきた木です。今回はマサキの生垣、アラカシの手入れとあわせて、その更新後の樹形を整えました。

右のオリーブは、主幹と呼べる太い幹がありません。以前、地際近くにオリーブアナアキゾウムシが入り、幹の内部を食い荒らして枯らしてしまったためです。
オリーブアナアキゾウムシは外来の侵入者ではありません。もともと日本の山でイボタノキやネズミモチといったモクセイ科の木を食べて生きていた在来種で、オリーブが日本に持ち込まれると、同じモクセイ科として食害の対象にしてしまいました。
幼虫は皮層と形成層、つまり水と養分の通り道を地際でぐるりと断ちます。外から見えるサインはほとんどなく、早期発見の手がかりは根元に落ちるオガクズ状の木くずと、地際近くに潜む成虫そのものです。
この庭でも、成虫を実際に確認したことでゾウムシによるものと分かりました。
けれどオリーブは主幹を失っても終わりません。株元が生きていれば、そこから新しい芽(胴吹き)を出して樹形を作り直す力があります。
この庭のオリーブは、まさにその胴吹で今の姿まで育ちました。

今回はその胴吹き由来の枝を脚立で高い位置まで整理し、風通しを作りました。

剪定を終えると、枝の間から空が見えるくらいまで透けます。虫が再び入るとすれば地際なので、更新した後も株元を見えるように保つ管理を続けることが、この2本を守ることにつながります。
マサキ生垣の刈り込み
マサキはニシキギ科の常緑広葉低木で、都市部の生垣によく使われる定番の樹種です。
細根が密生し成長が早いぶん、下部の枝が少なくなって隙間があきやすいという特徴があります。
苗木のうちに上向きの枝を強めに切って、下枝を増やしておくのが理想です。
注意したいのは剪定の時期で、夏以降に強い切り戻しをすると日焼けが起きて枯れ込むことがあります。
今回は真夏の刈り込みだったため、強く切り詰めず、形を整える範囲にとどめました。
アラカシの剪定
アラカシはブナ科の常緑樹で、切り口からよく芽を吹く萌芽力の強さから生垣に向く樹種です。
一方で刈り込みを強くしすぎると、その萌芽力ゆえに徒長枝や胴吹きを誘発して形を乱しやすいという性質もあります。
今回も刈り込みではなく、必要な小枝を残しながら透かして自然な樹形にまとめました。
生垣として管理する場合の基本は年1回、梅雨明けの枝透かしです。
伸びた小枝を必要数残して間引き、残した枝は枝元から2〜3葉を残して切りつめます。
丁寧に管理する場合は初冬にもう1回、夏に出た新しい小枝を整理します。
ヒコバエ・幹吹き・徒長枝・逆さ枝・ふところ枝は、同時に取り除く枝です。
除草・仕上がり
樹木の手入れと合わせて、庭全体の除草と芝刈りも行いました。

オリーブ2本とマサキの生垣がすっきりし、庭全体の風通しが良くなりました。
2本のオリーブが、今日もまた少し育ちました。
よくあるご質問
Q. オリーブの主幹が枯れてしまいました。もう終わりですか?
A. 株元が生きていれば、そこから新しい芽(胴吹き)を出して作り直せることがあります。今回の鈴鹿市のお庭のオリーブも、主幹を失った後、胴吹きだけで今の樹形まで育ちました。ただし判断には株元の幹肌の状態を見る必要があるため、迷ったときはご相談ください。
Q. オリーブアナアキゾウムシは薬剤で完全に防げますか?
A. 薬剤だけに頼らず、下草を生やさず地際を見えるようにしておく管理と、木くずなど早期発見のサインを見逃さないことが基本です。
この虫はもともと日本にいた在来種のため、完全にいなくなることは考えにくく、見続けることが対策になります。
Q. マサキの生垣が下のほうだけ隙間だらけになってしまいました。直せますか?
A. 成長が早く下枝が減りやすい樹種のため、上部を強めに切って光を下まで入れることで下枝の発生を促せます。ただし夏場の強剪定は日焼けの原因になるため、時期を選んで行います。
最終更新: 2026年08月
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