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四日市市 庭園年間管理|石畳は5時間で8.6℃上がり、葉は0.7℃しか上がらなかった

  • 執筆者の写真: 飯島 一郎
    飯島 一郎
  • 1 日前
  • 読了時間: 4分

三重県四日市市、明治の埋立地に建つ庭で、令和8年8月18日に年間管理を行いました。3人・1日、8時21分から15時51分までの作業です。


この日はサーモグラフィーを持ち込みました。同じ庭を、朝と昼の二回。


同じ面が一日でどれだけ熱を持つのか、数字で見たかったからです。


松の木陰で休憩する職人

昼の休憩です。誰に言われたわけでもなく、みんな木陰に座ります。足元の玉砂利には日が当たっています。


この見慣れた光景の中に、どれだけの温度差があるのか。測りました。


まず、朝の庭です。9時57分。


朝のサーモグラフィーで見た樹冠

樹冠が29℃。紫に沈んでいるところです。


朝のサーモグラフィーで見た石畳の通路

同じ時刻、石畳の通路が31.9℃。オレンジ色の面です。


つぎに、昼の庭です。14時57分。


昼のサーモグラフィーで見た葉の表面温度

葉の表面が29.7℃。


昼のサーモグラフィーで見たむき出しの地面

同じ枠の下側、むき出しの地面が42.4℃。葉との差は12.7℃。


昼のサーモグラフィーで見た石畳の通路

石畳が40.5℃。人が歩く道です。


昼のサーモグラフィーで見た日陰の植栽

同じ枠の右側、日陰の植栽が32.6℃。


朝と昼を並べると、こうなります。


葉と地面の表面温度を比べた図

石畳は31.9℃から40.5℃へ。5時間で8.6℃上がりました。


樹冠は29℃から29.7℃へ。0.7℃しか上がっていません。


同じ日、同じ庭、同じ空の下です。片方は8.6℃上がり、片方はほとんど動かなかった。


木が地面を冷やすのは、影ができるからではありません。


葉が上がらないのは、水を蒸発させているからです。蒸散といいます。水が気体に変わるとき、まわりから熱を奪います。葉はその働きで、自分の表面を空気より低く保っています。


水が足りなくなると、この冷却は止まります。


木漏れ日が落ちる園路

木漏れ日と日向が、まだらに落ちています。この明暗の境目が、そのまま温度の境目になります。


そしてこの庭でも、水切れは出ていました。

水切れで葉が赤茶色になった低木

白い砂利に囲まれた植え込みです。葉が赤茶色に変わっています。砂利は照り返しが強く、株元の温度も上がりやすい場所です。


水切れで変色した葉の様子

近くで見ると、新しい葉は緑のまま、古い葉から順に色が抜けています。


緑の葉に混じって焼けた葉

同じ株の中でも、焼けた葉と緑の葉が混ざります。全部が一度に枯れるわけではありません。


葉が疎らになったツツジ類

葉が疎らになり、枝が透けて見えています。


生垣は緑のまま、反対側の低木は茶色

通路をはさんで、左の生垣は緑のまま、右の低木は茶色です。


同じ日、同じ庭の、数メートル違いです。


水切れで葉が茶色くなっているサツキやツツジ類には活性剤を散布しました。


背負い式の噴霧器で消毒と活性剤を散布

この段階で木の内部の水の状態を測っても、まだ数値が動かないことがある点です。


見て分かるサインが出ないまま進むことがある。


だから、茶色くなってから慌てるのではなく、その前に水をやる話になります。


散水の時間帯について、施主様にもお願いをしています。


お伝えしているのは一つです。夏の散水は、朝と昼を避けてください。


日中は土そのものが熱を持っています。そこへ水を与えると、撒いた水が土の中で温まってしまい、根を傷めることがあります。


今回測った42.4℃は、その土の温度です。


早朝であれば構わないのですが、このところはすぐに気温が上がるので、夕方以降のほうが確実です。


今回の実測でも、朝9時57分の時点で石畳はすでに31.9℃ありました。


もう一点。日中ホースの中に溜まっていた水は、かなり熱くなっています。


散水の前にしばらく水を出したままにして、冷たくなってから与えてください。


日が落ちてからの散水は、水が蒸発しにくく、株元にとどまって根まで届きやすくなります。


この日の作業です。

手取りで除草する職人

庭園全体の手取り除草です。機械を入れず、手で取ります。石組みや苔のまわりは、これでないと傷めます。


駐車場花壇の除草

駐車場の花壇も同じように手で取りました。


外周の落ち葉掃除

外周の落ち葉掃除です。この時期は松葉が落ちます。ブロワと竹箒を使い分けます。


外周の除草作業

道路沿いの際も除草しました。必要な箇所には除草剤を散布しています。


軽剪定のために立てた三脚

樹木の緑の濃い部分は軽剪定をしました。三脚を立てて、樹冠の内側に入ります。


三脚に登って枝を透かす

夏に伸びた強い枝を落として、風と光を通します。込み合ったままにすると、内側が蒸れて病気が出やすくなります。


手入れを終えた庭です。


手入れを終えた庭園の全景
モミジの樹冠と白砂利
松の下の白砂利に落ちる木陰

白砂利に、木の影が大きく落ちています。この影の内と外で、40.5℃と32.6℃に分かれていました。


手入れを終えた石畳の通路

40.5℃を測った通路です。左がウバメガシ生垣、右がサルスベリとサツキ低木。


石灯籠と石組みまわり
傾いた松と石灯籠のある一角
白い玉砂利と縁側

測ったから言えること。


8.6℃と0.7℃。この差は、この庭のこの日の数字です。他所で同じ数字が出るとは言えません。


それでも、休憩のときに全員が木陰へ行く理由が、数字になりました。


木は日差しを遮っているだけではなく、水を使って自分の表面の温度を抑えています。


そしてその働きは、水が切れると止まります。


日本庭園の白砂利や石畳が夏にどれだけ熱を持つのか、探しても測った記録が見つかりませんでした。


街路樹と自然林の研究はたくさんあるのに、庭は空白でした。これからも測り続けならが記録していきますな





最終更新: 2026年08月

 
 
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