三重県菰野町|晩秋の庭しごととモッコクの風格
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
- 12 時間前
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三重県菰野町にて、お庭全体のお手入れに伺いました。

紅葉のモミジ、春を待つ木蓮、艶葉のモッコク、斑入りのアオキ、そして足元にはツワブキの黄色い花。秋から冬へ移ろう光の中で、それぞれの樹木が静かに季節を告げていました。

写真にもあるように、このお庭の中心に立つモッコクは、樹齢を重ねた立派な一本です。今年も枝を外しながら、高さをわずかに抑え、内部の風通しと日当たりを改善する剪定を行いました。

モッコクは成長がとても緩やかで、切り過ぎると風格が損なわれるため、毎年の積み重ねで形を育てるように整えていきます。
モッコク(Ternstroemia gymnanthera)は、かつてツバキ科に分類されていましたが、現在は独立した「モッコク科」とされています。
常緑高木で、光沢のある葉と、6〜7月に咲く小さな白い芳香花、10〜12月に熟す赤い果実が特徴です。

この落ち着いた佇まいから、江戸時代には植木の格付けで最高位に位置付けられました。
江戸五木:モッコク・アカマツ・イヌマキ・カヤ・イチイ
三大庭木:モッコク・モチノキ・モクセイ
武家屋敷では格式の象徴として重視され、寺社庭園では結界や聖域を示す樹として扱われ、その後は町人文化にも広がり「庭木の王様」と呼ばれる存在になりました。

庭に一本あると景色が締まると語られるほど、日本庭園にとって特別な木です。

ビフォー

アフター
剪定は単なる整える作業ではなく、光と風の流れを整え、樹木が四季をまとえるようにする仕事だと感じます。

季節が静かに変わる菰野町で、今年も大切なお庭をお任せいただきありがとうございました。
モッコクの風格は、手を入れ過ぎず、しかし放任せず、自然と人の調和のちょうど中間で育っていきます。
来年もまた、この庭の四季とともにお手伝いできればうれしく思います。




