水辺のうまそうな棒?日本神話で白兎を救った薬効植物ガマ
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

- 8月6日
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スッと伸びた茎の先についた茶色い柔らかな棒状の穂をつけた植物。ガマ(蒲 香蒲)です。そのユニークな姿から「水辺のフランクフルト」最近では「水辺のうまそうな棒状のあのお菓子」とも呼ばれるとか。確かに…似ていますよね。

日本全土の水辺に育ち、かつて田舎では川辺や田んぼにズラリと並ぶガマは夏から秋の風景でした。画像は切花として売られていたガマの穂です。
ガマの穂、というと日本神話「因幡の白兎(しろうさぎ)」の話を思い出す方もいるかもしれません。水辺を渡ろうとしてワニ(サメ)を騙したことで怒りをかい、ワニから皮を剥かれ、赤裸になった白ウサギ。大国主命(おおくにぬしのみこと)が「カラダを真水で洗いガマを敷いて転がるよう」に教え、ウサギの傷が癒された…という話。
あのガマは「ふわふわの穂」というイメージを持つ方も多いと思いますが(私もそうでした)原文では「…水門之蒲黃 敷散而…」とあるそうで、正確にはガマの花粉「蒲黄」を体につけるように…という指示だったそうです。
実はこれは理にかなっていて、ガマの花粉、蒲黄(ホオウ)香蒲(コウホ)には実際に「止血作用」の薬効があり切り傷や火傷に効果があるのです。この神話は国主命が医薬の神でもあることも示しており、薬の神さまが白兎に薬草を用いた治療を施したということも表現されているのですね。
大国主命は白兎を助けた縁で姫と結ばれたことで、縁結びの神としても祀られています。
ガマ(蒲 香蒲 ):ガマ科ガマ属 属名種のガマの他ヒメガマ(姫蒲 Typha domingensis Presl)とコガマ(小蒲 Typha orientalis L.)が日本全土に分布
沼や池、湿地、休耕田などに自生しています。







