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三重県津市 津のまち矯正歯科様での8年間庭園管理記録

  • 執筆者の写真: 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
    三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
  • 8月15日
  • 読了時間: 6分

更新日:8月18日


三重県津市にある津のまち矯正歯科様。2017年のご依頼当初から今日に至るまで、私たち剪定屋空はこの場所の緑と向き合い、気づけば7年という時が経ちました。


お庭は、単なる景観維持の場ではありません。ここには、樹木の健康回復、患者様や地域の方々が心安らぐ空間づくり、そして施設全体の環境価値向上という、複数の目的が重なり合っています。そして7年間の管理を通じ、現代の緑地管理がどのように進化し得るかを常に考え行動していけるお庭管理になりました。


剪定屋空の庭園管理について詳しくは、庭園管理サービスページをご覧ください。



出会った頃の庭と初期の課題(2017年3月撮影)


2017年当時の土壌状態 - 固く締まった土壌で水も空気も通しにくい植栽基盤の問題を示す

初めて現場を訪れたとき、植栽から年数は浅いはずなのに、多くの木々が元気をなくし、枝先には枯れが目立っていました。



樹木の根本周辺への配慮が必要な状態

土は固く、水も空気も通しにくい状態。根元に近づくと、息苦しそうな気配すら感じられました。



三重県庭園管理実績

防草シート(院内側緑地のみ)はきっちり貼ってあり防草効果は抜群でしたが、樹木の成長に合わせて防草シートを加工するなど、特に樹木の根本周辺には特に気を使います。




当時の主な課題


  • 樹勢の衰退(枝葉の勢いがない)特に窒素不足と思われる葉の黄化がみられる。

  • 枯れ枝の多発、とくに常緑樹で顕著 カシなどは葉も古い枯れ枝が目立つ。

  • 土壌環境の不良

  • 樹形の乱れ(成長方向が不安定)




まず私たちが最初にご提案させていただいたのは、「剪定よりもまず樹勢回復」という方針でした。


剪定屋空による樹勢回復のための施肥作業 - 土壌改良と栄養補給による根本的な環境改善

まずは剪定などは避け、土壌改良と施肥で根の呼吸と吸水を助け、木々の健康を取り戻すことから始めました。 樹木の手入れといっても様々な方法があり安易に切る事だけが手入れとは限らず、お庭全体の環境や樹木の状態をまずは把握しながらいつもご提案させていただいております。 まずは生き物という事を忘れずに、この子達には何が必要なのかを感じる力が造園業者には不可欠だと感じます。





7年間の歩みと成長の4ステージ


7年間継続して緑地管理をさせていただきながら、成長期なども含めると4つの段階がありその年により微妙に手入れ内容や施肥なども変えています。



第1期:樹勢回復期(2017〜2019)


2017年3月 

2017年7月 土壌改良実施後 徐々に樹木が元気を取り戻し始めた状態

2017年7月 土壌改良後 徐々に樹木が元気に

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  • 2017年 土壌改良を実施し、根域環境を改善。栄養を届けるための施肥を行い、枯れ枝は最小限の除去に留めました。駐車場の草刈りも同時に行い、全体の美観を整えました。




2017年12月 冬期お手入れ

2017年12月 冬期庭木手入れ作業 樹勢回復を確認しながらの軽剪定実施

樹木が元気になってきた頃合いを見ながら軽めの剪定をさせていただき、樹勢回復優先の手入れを行いました。



2018年6月

2018年6月 樹勢回復期の成果 新芽が揃って芽吹き健全な成長を確認

回復の兆し新芽が揃って芽吹き、樹勢が回復してきたので活性剤と合わせて樹木全体の消毒もさせていただきました。



2018年8月 夏季手入れ 


2018年8月夏季手入れ作業の様子


2019年 冬期お手入れ 細かな枝も出てきて太い枝と更新できるぐらい樹木は元気な状態に落ち着いています。


ビフォー

2019年冬期手入れ前の状態 - 樹木が元気を取り戻し枝数も充実

アフター

2019年冬期手入れ後 - 細かな枝も出て太い枝と更新できるほど樹木が元気な状態に回復



第2期:安定成長期(2020〜2022)


2020年5月

2020年5月 安定成長期の庭園管理 - 自然な樹形を取り戻し一本一本の枝を大切にした整備


  • 2020年5月 安定成長期の庭園管理 - 自然な樹形を取り戻し一本一本の枝を大切にした整備
2020年5月 安定成長期の庭園管理 - 自然な樹形を取り戻し一本一本の枝を大切にした整備
2020年5月 安定成長期の庭園管理 - 自然な樹形を取り戻し一本一本の枝を大切にした整備
2020年5月 安定成長期の庭園管理 - 自然な樹形を取り戻し一本一本の枝を大切にした整備

  • まだ少し枯れ枝も出てきていますが、木々は自然な樹形を取り戻しています。一本一本の枝を大切にしながら整え、病害虫は定期観察で早期対応。




    2020年8月 夏季手入れ すっかりモサモサになり剪定し甲斐がある枝数に成長


    ビフォー

    2020年8月 庭手入れ

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    2020年8月 夏季手入れ すっかりモサモサになり剪定し甲斐がある枝数に成長 施工後

    ビフォー

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    アフター

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  • 正面入口緑地ににカイガラムシが発生しましたが、局所的な消毒にとどめ、必要最小限の薬剤使用を実践。



  • 2020年から2022年 軽剪定、葉むしり、落ち葉清掃、土中環境改善をしながら施設全体の緑地管理体制を維持。




第3期:持続可能管理期(2023〜2024)


  • 2023年7月日オリーブが傾きを確認し、「ひこばえ」を利用した自然更新に着手。

  • 2024年1月冬の寒肥を体系的に導入。

  • 2024年5月・8月駐車場の排水口苔除去や灌水方法の改善など乾燥ストレスや害虫増加にも適応策を実施しました。



第4期:統合的環境管理期(2025〜)


津のまち矯正歯科様庭園での野鳥誘致効果 - ヤマモモの果実による自然な餌場提供と生物多様性保全

  • 2025年5月30日ヤマボウシやキンシバイの開花前管理を実施。樹木の健康確認、駐車場まで含めた除草、人工巣洞の継続観察など、自然と施設環境を一体で守る管理が完成形に近づいています。




7年間の変化(比較)


2017年 

津のまち矯正歯科様庭園 2017年の初期状態 - 樹勢衰退と枯れ枝が目立つ状況
津のまち矯正歯科様庭園 2017年の初期状態 - 樹勢衰退と枯れ枝が目立つ状況

2025年

津のまち矯正歯科様庭園 2025年現在 - 8年間の継続管理により健全な樹勢と自然美を実現
津のまち矯正歯科様庭園 2025年現在 - 8年間の継続管理により健全な樹勢と自然美を実現

項目

2017年

2025年

変化のポイント

樹勢

衰退

健全

土壌改良と栄養補給で根本改善

樹形

乱れ

自然美

柔らかく整え、景観性向上

病害虫

発生多

予防型

薬剤使用最小化

土壌

固い

健全

通気性・保水性向上

生態価値

景観中心

多様性

野鳥誘致・共生環境

夜間価値


あり

ライトアップに配慮



この庭が教えてくれたこと


津のまち矯正歯科様庭園の現在の全景 - 8年間の継続管理により実現した自然美と機能性の調和
  • 時間が育む回復力は短期間では到達できない。根本改善は、継続管理だからこそ実現できる。

  • 自然への敬意持ち強く切るより、木が望む成長方向を見極めて手を添えること。

  • 緑が与える癒しの力は、医療施設の価値を確実に高める。



「跬歩を積まずんば、以って千里に至る無し」(孔子)


「柔弱は剛強に勝つ」(老子)


技術も知識も年数も、ただ横に並べて誇るのではなく、一層ずつ年輪のように積み重ねてこそ、揺るがぬ芯が育つ。その芯は決して固く閉ざすのではなく、重なり合った層の間に風や水が通うように、柔らかさを保たねばならない。


庭の手入れもまた同じ。剪定、施肥、観察、記録


一つひとつは苔むす庭石に降り積もる露のように静かに重なり、やがて厚みとなり、景色となっていく。


私の「積」とは何だろう。


それは、年輪に刻まれた季節の証であり、苔むす石の奥に潜む時間の重みであり、自然と共に歩み、変わらぬ芯と移ろう柔らかさを同時に抱き続けてきた証そのものである。


かっこいい事言うとこんな感じになります(笑)




今後の展望


  • 気候変動へのさらなる適応 雨水利用や樹幹流利用

  • 野鳥営巣成功率の向上

  • 開花時期に合わせた最適景観演出




津のまち矯正歯科様での8年間は、木々と人、そして緑地環境が共に成長していきながら、私たちもいろいろ勉強させていただき成長できる期間でした。


2025年現在の津のまち矯正歯科様庭園 - 持続可能な管理により実現した理想的な医療施設緑地環境

これからも剪定屋空は、この経験で得た知見を活かし、科学と現場感覚を融合させた庭園管理をお客様と共に未来へ続く環境として育ててまいります。




お問い合わせ


三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空


〒510-1326 三重県三重郡菰野町杉谷2304-1


TEL: 0120-284-163 / 059-340-7479営業時間: 8:00-18:00(不定休)


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