野を分け、草木を吹き分ける荒々しい風が、野分。秋から初冬にかけて吹く、主として台風などに伴う暴風のことをいいます。
「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ(台風の翌日は非常にしみじみとした趣があり面白い)」(枕草子)
「野分のあしたこそをかしけれ(台風の過ぎ去った明朝こそ、情緒的な趣きがある)」(徒然草)
このように、古くから台風のことを野分と呼び、また台風が過ぎ去った後の朝に日本人は趣を感じていました。嵐の後に広がる澄んだ青空を見て美しいと感じるのは、昔から同じだったのかもしれません。
しかしそうは言っても趣ばかり言っていられないのが台風です。特に今年の夏は例年より早いペースで台風が発生しています。また列島を逆走する形で西日本に大きな被害をもたらした台風12号も記憶に新しいのではないでしょうか。
枕草子では、
「立蔀・透垣などの乱れたるに、前栽どもいと心苦しげなり(立蔀や透垣などが乱れている上に、庭の植え込みもとても痛々しい様子だ)」
と続きます。
趣を感じる心は忘れず、しっかりと対策をして被害を最小限にできるように心がけたいものです。
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