「道のべの木槿(むくげ)は馬にくわれけり」
これは江戸時代に活躍した伊賀出身の俳諧師である松尾芭蕉が馬上で詠んだ句と言われています。
大意としては、「ムクゲの花を馬上から眺めていたら、あっという間に馬がその花を食べてしまった。そうでなくても短命な花なのに」といった意味だそうです。
ムクゲはアオイ科フヨウ属の落葉樹で、7~10月にかけて大きな花を咲かせます。花は朝に花が開き、夕方にしぼむことから短命な印象を持たれていることが多いようです。
しかしムクゲ自体は非常に丈夫な木で、水はけと日当たりが良い場所であれば夏の暑さにも負けることなく元気に育ちます。
挿し木で比較的簡単に増やすことができるので、花を咲かせる丈夫な樹木を植えたいという人にはぴったりかもしれません。
花言葉は、「新しい美」「信念」。
新しい花が次々に咲くことがその由来だそうです。
昔の俳人に思いを馳せつつ、新しい美をたのしむのもいいのではないでしょうか。