ツツジ(躑躅)花後の剪定・ツツジとサツキの違い・品種・毒まで現場から
- 飯島 一郎

- 5月25日
- 読了時間: 4分
ツツジは4月末から5月にかけて、日本中の庭や公園を赤・ピンク・白・紫に染める花です。
生垣、玄関前、斜面の土留め
いろんな場所で使われているのに、「いつ切るか」を知らないまま放置されている株を現場でよく見かけます。花が終わった後に切り忘れると、来年の花が咲かなくなります。ツツジの管理で最も大切な「花後の剪定」を中心に、品種の違いや毒の話まで、現場から書いた記事をまとめました。

「躑躅」——漢字の読み方と、クルメツツジという品種の話
ツツジの漢字「躑躅(つつじ)」は、難読漢字の中でも特に有名な部類です。
中国語で「足踏みして立ち止まる」という意味があるとされ、美しい花の前で人が足を止める様子を表したという説があります。
日本で最もよく見かけるのはクルメツツジ(久留米ツツジ)です。江戸時代後期に久留米藩で品種改良された園芸品種で、花が密に咲いて見栄えがよく、庭木・公園木として全国に広まりました。

ツツジとサツキの違い——似ているようで別物
ツツジとサツキ(皐月)はよく混同されます。どちらもツツジ科ツツジ属で、見た目もそっくりですが、開花時期が違います。ツツジは4月下旬〜5月上旬、サツキは5月下旬〜6月。「ゴールデンウィーク前後に咲くのがツツジ、梅雨の頃に咲くのがサツキ」と覚えると分かりやすいです。
葉の大きさも少し違います。サツキの方が葉が小さく、生垣や盆栽によく使われます。

花後の剪定——いつ、どこを切るか
ツツジの管理で最も重要なのが「花後の剪定」です。花が終わったらすぐ——具体的には花がらがまだ残っているうちに、新しい芽が伸びる前に切ります。遅れると来年の花芽が付く新枝まで切り落とすことになり、翌年花が咲かなくなります。
刈り込み(全体をバリカンで整える)と、花がら摘み(終わった花だけを取る)は目的が違います。混み合ってきた株は花後に形を整える刈り込みを。毎年しっかり咲かせたいなら花がら摘みを丁寧に行う方が確実です。
毒のあるツツジ——花びらが繋がっている理由
ツツジには「グラヤノトキシン」という毒性物質が含まれています。特に花の密腺(みつせん)に多く、子どもが花を口に含むのは危険です。花びらが5枚に分かれているように見えて、実は根元で繋がっている——これが毒を持つツツジの特徴的な構造です。
レンゲツツジは特に毒性が強く、牧場では牛が食べないように管理が必要とされています。一方でよく見るクルメツツジは毒性が低く、通常の触れる程度では問題ありません。

珍しい品種——八重咲き・ハナグルマ
一般に広まっているクルメツツジ以外にも、個性的な品種があります。八重咲きのツツジはバラのように幾重にも花びらが重なり、遠くから見ると「バラが咲いている?」と勘違いするほど豪華です。
ハナグルマ(花車)と呼ばれる品種は、花びらに細かい切れ込みが入り、花全体がくるくるとした風車のような形になります。触るとわずかに粘り気があるのも特徴的です。

施設・庭でのツツジ管理——現場から
ツツジは病院・医院・公共施設の植栽に多く使われています。見た目が華やかで管理がしやすく、生垣にも向いているからです。ただ、長年放置されると株が大きくなりすぎたり、枯れ込みが出たりします。
三重県鈴鹿市の沖中内科循環器科様では、開花直前の白いツツジを管理させていただきました。白花は清潔感があり、医療施設の入口に特に映えます。

ツツジは切るタイミングが全て
花が終わったら、すぐに切ります。これだけで、毎年きちんと咲いてくれます。
庭にツツジがあるお宅で「昔はよく咲いていたのに最近咲かなくなった」という相談を受けることがあります。ほとんどの場合、花後に切り忘れているか、夏に切りすぎているかのどちらかです。
ツツジの花を見ると、季節が変わったことを感じます。その花が毎年きちんと咲き続けるよう、タイミングを知っておくことが大切です。







