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クビアカツヤカミキリの最新状況 2026年10月まとめ 最初に見つけたのは誰か

執筆者の写真: 飯島 一郎
飯島 一郎
6 時間前
読了時間: 6分

クビアカツヤカミキリの最新状況を、月に一度まとめていきます。今回が1回目です。


集めた記事を読み直すと、県や市町村で初めて見つかった場所の多くは、仕事で見回っていた人ではなく、近くに住む人の目で見つかっていました。子どもが最初だった例も4件あります。


この記事は、クビアカツヤカミキリの情報を毎朝集めているサイト、クビアカのいまが保存した国内の記事と自治体の発表808本を、本文まで読んで数えたものです。図はボタンを押すと動きます。


10月の数字


10月の日付の国内の記事は268本でした。6月の日付は26本だったので、約10倍です。


いちばん多いのは発見や被害の記事で、167本ありました。国と自治体の動きは101本です。10月6日に、政府が予備費から約32億円を対策に出すと決めたことが大きく報じられました。


10月には、初めての確認の報道も続きました。長野県の小諸市・南牧村・上田市、兵庫県尼崎市の民有地のサクラ、岐阜県高山市、茨城県常陸太田市です。


ただ、記事の数がそのまま被害の数ではありません。クビアカのいま が集め始めたのは10月で、それより前の記事は、さかのぼって探した分です。数が伸びて見えるのには、集め方も入っています。


最初に見つけたのは誰か


2019年12月から2026年10月までに、県や市町村で初めて確認されたと報じられた場所は47件ありました。


そのうち、誰が見つけたかが本文に書かれていたのは25件です。


住民が14件、子どもが4件。仕事で見つけた7件は、梅の生産者が2件、公園や施設を管理する人が2件、樹木医や県の見回りが3件でした。



25件のうち18件は、仕事でクビアカを探していた人ではありませんでした。


香川県では、サクラを調べていた樹木医がフラスを見つけて県内初になりました。滋賀県は、県の職員が見回りの途中で成虫を見つけています。専門の目が最初だった場所もあります。


それでも、多くは、自分の庭のモモや、散歩道のサクラや、通学路でした。


子どもは虫を、大人は木の根元を


見つけた人ごとに、何を見つけたかを並べると、違いがありました。



子どもが見つけた4件のうち、3件は成虫です。


長野県で初めて確認されたのは2026年7月、佐久市の5歳の男の子が、サワガニを取りに行った帰りの歩道で見つけた死骸からでした。アリにたかられていたカミキリムシを、初めて見るカミキリムシだと父親に知らせ、父親が県に連絡しています。


歩道で小さなカミキリムシを指さす男の子と、のぞき込む父親の鉛筆スケッチ

県の支援センターの所長は、発見が1年遅れていたら被害はもっと広がっていた、と話しています。


奈良市では2023年7月、小学6年生の2人が学校近くのサクラで成虫を見つけました。兵庫県丹波篠山市の小学生は、父親と虫取りをしていて、カシの樹液に来ていた成虫に気づいています。


一方、住民が見つけた14件では、フラスが8件でいちばん多くありました。フラスは幼虫が木の中から押し出す木くずと糞で、根元にかりんとうやうどんのような形でたまります。


自分の庭の木や、毎日通る木の根元を見ているのは、大人のほうです。


知っていれば、気づける


神戸市兵庫区で初めて確認されたのは、中学生と高校生の理科研究部の通報からでした。


2026年8月上旬、部員が公園で虫を採っていて、サクラの根元にかりんとうのような木くずを見つけています。それがクビアカのフラスだと分かったのは8月下旬、外来生物の展示でクビアカを見たときでした。


サクラの根元のフラスを指さす中学生と、ノートに書き留める中学生の鉛筆スケッチ

見つけてから気づくまでに、2〜3週間かかったことになります。足りなかったのは目ではなく、それが何かを知る機会でした。


丹波篠山市の住民の男性は、県が配ったうちわに刷られたフラスの写真を覚えていて、自宅の畑のモモの根元で同じものに気づきました。うちわの二次元コードから、その場で県に通報しています。


丹波篠山市の1年


丹波篠山市では、この流れが1年の中に並んでいます。


2025年7月、小学生が成虫を見つけ、市内で初めての確認になりました。桜の保全に取り組む地元の協会は、学校の終業式に出向き、全校の子どもたちの前でお礼を伝えています。


2026年5月には、別の小学生が公園で成虫を見つけました。7月の報道では、協会は市内の18歳以下を対象に、クビアカを見つけて知らせると3,000円分の図書券を贈る制度を設けています。


8月には、うちわの写真を覚えていた男性が、市内で初めてのフラスを見つけました。


子どもが見つけ、町が子どもに向けた仕組みを作り、大人の目も開いていく。数は少ないですが、一つの町でこの順に起きていました。


奨励金は、捕った数に払われている


クビアカのいま が集めた奨励金・報奨金は23件です。払い方を分けてみました。



19件は、成虫を捕った数に払う形でした。1匹あたりに直せる11件は30円から1,000円で、真ん中の値は50円です。


見つけて知らせたことに払う形は4件で、兵庫県の制度、丹波篠山市、和歌山県の田辺市とみなべ町でした。18歳以下に限ったものは、丹波篠山市と埼玉県北本市の2件です。


被害が広がった地域では、成虫を減らすことが先に立ちます。まだ見つかっていない地域や、見つかったばかりの地域では、最初の1本を早く知らせてもらうことが要になります。今の奨励金は、捕るほうに寄っています。


子どもに伝えておくこと


この7年の報道の中に、子どもの目が最初になった例が少なくとも4件ありました。


伝えておくことは三つで足ります。


首の赤い、黒く光るカミキリムシがいたら、大人に知らせること。


サクラやウメの根元に、かりんとうのような木くずがたまっていたら、写真を撮ること。


自分で捕まえて持ち帰らないこと。クビアカは特定外来生物で、生きたまま運ぶことは法律で禁じられています。


産経新聞の社説(2026年8月5日)も、子どもは見つける役に徹し、捕殺や薬剤、伐採は大人と専門家が担う、という分け方を書いています。


この数字の読み方


子どもが見つけた話は、記事になりやすい話です。報道から数えた4件という割合は、実際より高く出ていると考えておくほうが安全です。


数も多くありません。25件のうち4件は16%ですが、25件だと、ふれ幅はおおよそ上下に14ポイントあります。子どもの割合は、2%から30%のどこかとしか言えない数です。


それでも、市民の目が広がりを捉えていることは、研究でも確かめられています。埼玉県の市民の報告2,439地点を1kmごとのマスに入れた研究(Khamsim ほか 2026)は、クビアカは遠くへ飛び火するより、隣へじわじわ広がると読み取りました。その元になったのは、県民の報告でした。


47件のうち22件は、誰が見つけたかが記事に書かれていません。来月からは、自治体の発表にも当たって、ここを埋めていきます。


来月見ること


冬はフラスが出にくく、成虫もいません。11月からは、見つかる数が減る見込みです。減ったことを、いなくなったと読まないようにします。


秋から冬は、幼虫のいる木に手を入れる時期です。国の予備費が、どこでどんな対策に使われるかを追います。


三重県の市町ごとの状況は三重県のクビアカツヤカミキリに、このまま広がった場合の見取り図はクビアカツヤカミキリの拡大予測にまとめています。


出典


クビアカのいま(記事と自治体の発表の保存・奨励金の表) https://kubiaka-now.com/

長野県の初確認(日本農業新聞) https://www.agrinews.co.jp/society/index/412877

奈良市の初確認(奈良新聞 2023年7月20日) https://www.nara-np.co.jp/news/20230720211451.html

神戸市兵庫区の初確認(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASV9H05Z3V9HPIHB00BM.html

神戸市兵庫区の初確認(兵庫県) https://web.pref.hyogo.lg.jp/nk20/20260910.html

丹波篠山市の初確認と協会のお礼(丹波新聞 2025年7月30日) https://tanba.jp/2025/07/%E7%94%9F%E6%81%AF%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%82%92%E8%AD%A6%E6%88%92%E3%80%80%E6%A1%9C%E3%82%84%E6%A1%83%E3%81%AE%E6%9C%A8%E9%A3%9F%E3%81%84%E8%8D%92%E3%82%89%E3%81%99%E5%A4%96/

丹波篠山市の図書券(丹波新聞 2026年7月1日) https://tanba.jp/2026/07/%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%A2%E3%82%AB%E7%99%BA%E8%A6%8B%E3%81%A7%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E5%88%B8%E3%80%8018%E6%AD%B3%E4%BB%A5%E4%B8%8B%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E3%81%AB%E6%87%B8%E8%B3%9E%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%80%80/

丹波篠山市のフラス(2026年8月31日) https://news.yahoo.co.jp/articles/7b8f17ef6e88011a457980089c2640e520b4b46a

香川県の初確認(OHK岡山放送) https://www.ohk.co.jp/data/26-20260710-00000013/pages/

滋賀県の初確認(滋賀県) https://www.pref.shiga.lg.jp/dg00/press-release/25070.html

産経新聞 社説(2026年8月5日) https://www.sankei.com/article/20260805-CVWLTTGFXBOSNFQEQNCCSLFIPY/

政府の予備費(日本農業新聞の論説 2026年10月25日) https://www.agrinews.co.jp/opinion/index/414789

市町村の位置 国土地理院 住所検索 https://msearch.gsi.go.jp/address-search/AddressSearch

Khamsim ほか(2026)埼玉県の発生地点の固まり ISPRS Archives https://doi.org/10.5194/isprs-archives-l-4-w1-2026-111-2026



最終更新: 2026年10月

 
 
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